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「コスモポリタニズムの出発点をなすのは単純な考え方である。国家における場合と同様、全人類を単位とする共同体においても、私たちは違いを乗り越えて平和に共存することを習慣としなければならない、という発想がそれである」(本文より) コスモポリタニズムのこうした発想は耳に心地よいが、現実離れした理想主義的な考え方だ、ととらえる向きもある。コスモポリタニズムの考え方を徹底することで、国家や地域、さらには家族といった、個性や伝統を備えたつながりや愛着が犠牲になりはしないだろうか、といった疑念がもたれることもあるだろう。しかし、と著者アッピアは言う。この地球に住むすべての人を気にかけて暮らすことと、個々別々の地域に根差した文化や伝統を大切にして暮らすことは両立させられるはずだ。アッピア自身が、ガーナ人の父とイギリス人の母のもとに生まれ、現在アメリカに居を構えるコスモポリタンである。本書は、ともすれば安易な理想主義に陥りかねないコスモポリタニズムの思想を、さまざまな文化や習慣に触れてきた著者の経験を交えつつ、現代に通用する形で鍛え直すことをねらいとしている。「過去の遺物」ではない、「新しい可能性」をもった倫理として。
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出版社からのコメント
「コスモポリタニズムの出発点をなすのは単純な考え方である。国家における場合と同様、全人類を単位とする共同体においても、私たちは違いを乗り越えて平和に共存することを習慣としなければならない、という発想がそれである」(本文より) コスモポリタニズムのこうした発想は耳に心地よいが、現実離れした理想主義的な考え方だ、ととらえる向きもある。コスモポリタニズムの考え方を徹底することで、国家や地域、さらには家族といった、個性や伝統を備えたつながりや愛着が犠牲になりはしないだろうか、といった疑念がもたれることもあるだろう。しかし、と著者アッピアは言う。この地球に住むすべての人を気にかけて暮らすことと、個々別々の地域に根差した文化や伝統を大切にして暮らすことは両立させられるはずだ。アッピア自身が、ガーナ人の父とイギリス人の母のもとに生まれ、現在アメリカに居を構えるコスモポリタンである。本書は、ともすれば安易な理想主義に陥りかねないコスモポリタニズムの思想を、さまざまな文化や習慣に触れてきた著者の経験を交えつつ、現代に通用する形で鍛え直すことをねらいとしている。「過去の遺物」ではない、「新しい可能性」をもった倫理として。